夢を見た

数ヶ月前に死んだはずの石川梨華の魂が石川妹(梨華ちゃんに激似)の体に乗り移る。
誰よりも早く石川妹の中の梨華の存在に気付いた吉澤は、狼狽しながらも常に連れ立って行動するようになる。梨華の存在がバレないように、自分たちの住む世界から隠れるように、梨華を何かから守るように。梨華の希望を出来るだけ叶えようと、海に行きたいと言えば海へ。花火がしたいといえば季節外れの花火をそこら中探し回る。梨華の表情は幸せに満ちていた。
しかしこの幸せも長くは続かない。石川妹の体と梨華の魂、同居するのにも限界がある。体のいたる所がキシキシと痛み、頭が割れるような痛さが時折梨華を襲うようになる。だんだんと周期を早くして。それを悟られまいと懸命に笑顔を作る梨華に吉澤も騙されたフリをした。
吉澤の苦悩。近い将来、また梨華と別れなければならないだろう。出来る事ならこのままずっと一緒にいたい。しかし体は石川妹のもので、今こうしている間に石川妹の魂がどうなっているのかも分からない。終わらせたくないけれど、終わらせなければならない。そして多分、終わりの時は、近づいている。
そんな時、梨華と石川妹、両方と仲の良かった小川に偶然出会ってしまい、小川は石川妹の中の梨華の存在に気付く。「え?あれ?石川・・・さん?」バレた。その瞬間、梨華はその場から逃げるように走り去った。それを吉澤が追いかける。「梨華ちゃん!!」。梨華は泣いていた。まん丸の月が綺麗な夜。黒い砂浜に崩れ落ちるように。出来る事ならこのまま生きていたいという我侭な本能と、この体は妹に返さなければならないという理性。そして終わりの時が一歩一歩確実に近づいているという二度目の死の恐怖。梨華の苦しみは計り知れなかった。
でー深い青の中で吉澤が石川を抱きしめててー、で何かいろいろあってー、やたらノーテンキな矢口が出てきて何かコメディーになってー、でも最後は何だかんだで空にとけていく梨華の笑顔をボンヤリと見上げる吉澤。うわー切なっ!で目が覚めるってゆー感じで夢を見た。いしよし?ちなみに石川の痛い所は自分の体の痛い所と一致していた。どうりで石川の痛みをリアルに感じた訳だ。そして内容は「四日間の奇跡」に影響受けてるね。